いろいろな木 制作ノート
<制作ノート by驚きの学校 校長>
驚きの学校は2019年秋よりアメリカ東海岸のロードアイランド州に拠点を移していましたが、コロナウイルスによる日本の学校休校を機にオンライン授業をはじめました。
定期教室に通っていた静岡県熱海市の小学4年生と6年生の3人の子どもたちと、アメリカにいる先生をつないだ月2回のオンライン授業を、現在まで9ヶ月間続けています。
このアニメーション作品は、このオンライン授業を経て生まれたものです。
授業は、木、鳥、雨、波などをテーマに、身の回りの世界にある不思議を探究していくような内容からはじまりました。
<顔を合わせられない分、日常を学びの場に変えられるような宿題を軸に行いました>
数ヶ月経ってから、木や鳥をテーマにしたこのアニメーションの制作に取りかかりました。驚きの学校では元々子どもたちとのパフォーマンスを作ってきましたが、アニメーションを作るのは今回が初めて。きっかけは、ロードアイランドで出会ったアーティストやデザイナーたちとの出会いでした。
<廃ビルを改装したシェアスタジオ"Lodge"のアーティストたち>
子どもたちとの創作は、「いろいろな木」という生命の母なる木の物語を軸に、自分たちで考えた鳥とその鳥が食べた不思議な実、その実を携えてたどり着いた新たな島を想像するところからはじまりました。
生徒の一人がお話から想像した「いろいろな木」。切り絵のモチーフになりました。
オリジナルの鳥を主人公にした新たな物語をそれぞれが考え、絵に描き、切り抜いて、ペーパーシアターのようなものを作り、zoomの画面の前で演じてみました。ナレーションもリモートで録音。キャラクターのぬいぐるみや、宝石の実を工作してくれた子のアニメーションにはその立体作品も入れ込むことにしました。
そうしてできた物語と絵をアナログなコマ撮りアニメーションの手法で、現地のアーティストたちとアニメーションにしていきました。音楽は、日本とアメリカのミュージシャンがそれぞれの物語に合わせてオリジナルで作曲し、エンドロールの曲はリモートでの合奏を行いました。
<子どもたちの絵を切り取り少しずつ手で動かして、1コマずつ写真撮影して作るアナログな手法>
<STAY HOMEのため公園で行った録音>
こうしていろいろな場所にいるいろいろな子どもと大人が、一緒になって作ってできたのがこのアニメーション作品です。
このプロジェクトは、アニメーションの公開で終わりではありません。
作品をはじまりに、さらなる新しい鳥たちのいろいろな物語をいろいろな人たちと作っていきたいと考えています。作品上映会や、お話を作るワークショップ、絵本の制作などアイデアはたくさん!また、Lodgeの設立者SamとWillyが取り組む、オールインワンでアニメーションを作れるシステム「Gif-O-Graf」も、きっとこのお話の未来を膨らませてくれるでしょう。
そんなわくわくと夢のつまったこの作品が、いろいろな実を食べた鳥たちのように、旅をして育っていきますように!
作品を見てくださった方とも、この物語の続きを作っていけたら嬉しいです。
驚きの学校 校長 田中彩乃
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